五線親父の縁側日誌

永遠の70年代男・テリー横田の日誌です。

筆者は田舎の初老爺、下手の横好きアマチュア作曲屋、70年代洋楽ポップス愛好家、70年代少女漫画愛好家、
女子ヴァリボ&フィギュアスケートオタ、Negicco在宅応援組です。

Negicco New Album ”Tea For Three”


Negiccoのニューアルバム「Tea For Three」二巡ほど聴きました。悪う筈はないですが、前作より大人しくなったかな? 前作「Rice&Snow」は驚愕のアシッドハウスドラムンベース等、先鋭とんがった曲も多かった。その分を今回はバラードで埋めた感じです。かねてよりバラードが少なかったので、これは良い判断方向性と思いますが、音の好み自体は私はリズム派なので、僅差で前作「Rice & Snow」のほうが好きかな。


でもそのバラードでの歌唱力向上は素晴らしい。とくにカエポ(Kaede、左側の子)の、ラスト曲「私へ」での歌い出しは、なかなかぞくぞくする(笑)こんな歌いまわしが出来るようになったんだねえ。彼女の下ハモも、3-4年前と今じゃ全然違う。昔はコーラス上のスパイス、今はコーラスの土台だ! その前の曲「おやすみ」では、ぽんちゃことMeguちゃん(右側の子)の、ウイスパー気味に抜いた歌い方がすごい素敵だ。両サイドの二人の歌唱力が上がったので、コーラス時のバランスがまた一段と良くなりました。


リズムもの楽曲では、3曲目→4曲目の怒涛のディスコ路線が最高です!特に4曲目「恋のシャナナナ」これの勢いが素晴らしいと思う。良い意味での「馬鹿っぽいけど行ってまえ~!」っていう、頭空っぽダンスチューン。歌詞が「金曜の夜はFriday Night、土曜の夜はSaturday Night」って当たり前じゃねーか!(笑)と突っ込みつつ、ここの輪唱掛け合いが大変アゲアゲで気持ちがいい。「今夜は踊ろう」ってな歌詞テーマは、それこそポップスが始まった大昔から、繰り返し歌われてきたテーマ。でもいつの時代でも、それは人々を熱狂させても来た。その意味では「恋のシャナナナ」は、メリケンポップの伝統にドーンと乗った、とても由緒正しい大正解なのだと思う。


もう一曲選ぶとすれば「土曜の夜に」でしょうか。皆が言うとおり、山下達郎シュガー・ベイブへの、現代からのオマージュ。 中間部でのコーラスアレンジ等、モロに「SHOW」なんですが、パクリ、ではなくて、70年代から続く日本のニューミュージック/王道への敬意なわけですよ。でもってこれを、自作系ミュージシャンじゃなく、アイドルグループがやるという点が面白いわけです。


しつこく繰り返す意見ですが、黒人系ではヒップホップが、白人系ではグランジロックが出てきて以降、ファンキーなAORは廃れてしいました。日本国内でもその傾向で、「渋谷系」はもとより、達郎やユーミンでさえ、後継が絶たれると自分的には危惧したぐらいです。その「ファンキー系王道ポップス」をもう一度メインストリームに乗せる。ムーブメントの中心に、アイドルのNegiccoが居る。日本的とも言える痛快な構図ですね。自分はこの流れこの音楽性、引き続き支持していきたいと思います。