五線親父の縁側日誌

永遠の70年代男・テリー横田の日誌です。

筆者は田舎の初老爺、下手の横好きアマチュア作曲屋、70年代洋楽ポップス愛好家、70年代少女漫画愛好家、
女子ヴァリボ&フィギュアスケートオタ、Negicco在宅応援組です。

オージェイズとフォー・トップス



■The OJeys「992 Arguments」


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■The Four Tops「One Chain Don't Make No Prison」


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1970年代前期、公民権運動などを経て黒人の個人の意識を大きく変わってきた時代。ソウル/R&Bの音も変革期を迎えていました。マーヴィン・ゲイダニー・ハザウェイ等のニュー・ソウルの新しい音が勃興してきたのです。

 

対して、いわゆる旧勢力だったコーラス・グループ達も、時代の波に遅れまいと奮闘して行きます。その代表格とも言えるフォー・トップスとオージェイズ、この2つが、同じようなやり方で音楽を作っていくんですが、ここがなかなか面白い。


まず2グループとも、レコード会社を移籍し、作詞作曲スタッフなどをガラリと変えてから、再びヒットを出している。ここが共通しますね。オージェイズフィラデルフィアの作詞作曲コンビ・ギャンブル&ハフ。フォー・トップスの場合はダンヒルレコードのポッター&ランバート。この二組の作詞作曲コンビ、サウンド面でもかなり共通項が多くて、どうやら強烈に意識し合っていたんではないかと、私は推測せざるを得ません。


音的には、軽快でポップだった60年代モータウンサウンドに比べ、より重厚で切れ味鋭くなっています。ストリングスを多用した華麗な編曲が特徴で、このへんは驚くほど似ている。例題に示した2曲は、歌詞のテーマも同じ。夫婦喧嘩をいさめて、もう一度やり直せないかい?という歌。はっきりポッター&ランバート側がパクリ……もとい、意識してインスパイアしてると思います。

 

でもって、ロックサウンドではない、あまり主流とはいえないこの辺のソウル系の音が、筒美京平を中心とした日本の歌謡ポップスに、多大に影響していくのも面白いですね。お陰で日本では、こういう風なアレンジが、逆にメインストリームになってしまったと。(^^;)で、達郎やらユーミンに続いていくわけです。