五線親父の縁側日誌

永遠の70年代男・テリー横田の日誌です。

筆者は田舎の初老爺、下手の横好きアマチュア作曲屋、70年代洋楽ポップス愛好家、70年代少女漫画愛好家、
女子ヴァリボ&フィギュアスケートオタ、Negicco在宅応援組です。

フィギュアスケートNHK杯


ほい。先週末はフィギュアスケートNHK杯でしたね。村主選手が出ないのでなーんだと思いましたが、観始めててみるとすっかり夢中になってしまいました。特に女子は表彰台独占です、ぱちぱち。


男子優勝織田君。柔らかいジャンプに加え、モロゾフコーチによる強烈なステップも加わって目が離せない。四回転こそ失敗したもののスケールは確実にレヴェルアップしています。


女子優勝、浅田真央ちゃんは、今大会もやはり天才でした。2週間でジャンプをきっちり修正し、なおかつフリーでは、歴史的なトリプルアクセル2回を敢行。2回目は回転不足をとられたようですが(ぶーぶー)あの大技を2回試技したのは確かなこと。快挙です。天才はこうやってより天才になっていくのねえ。


3位に入った中野友加里ん、ショートでジャンプが抜けて2回転に。この出遅れが最後の点数争いに出てしまったようです。しかしフリーの「ジゼル」冒頭のトリプルアクセルは回避したものの、他は本当に素晴らしい出来でした。3-2-2のジャンプコンビから代名詞のドーナツスピン。真央ちゃんを待たずして会場がスタンディング・オベイション。本人も涙ぐむほどでした。


その中野選手を押さえてしまったのが、鈴木明子選手。これがすごかった!! 私は彼女の滑りは何回かテレビで観て知ってはいました。素晴らしい表現力と踊り心を持った選手で、ジャンプが決まれば世界のトップグループで十分戦える選手であること。そして今シーズンはとても調子がいいと、生観戦した方のブログなどで見聞きしてはいました。それが、もう、爆発しましたね! 伝わる演技で素晴らしかったです! 長いストレートラインステップを、リンクの端から端まで滑りきった瞬間「うおお、すげえ!」とつぶやいてしまった。PCS芸術表現性だけだったら今回トップかもしれない。


エキシビションがまたよかった! アストル・ピアソラの「リベルタンゴ」このねっとりした曲を、さらにねっとりと始める。指先や目や肩の表現まで動員して。高揚していくタンゴのリズム。ラストのステップシーケンスは、もうこれでもかというくらい、おどって踊りまくる。終わってからの拍手もすごい! この大会で多分、10万人ぐらいは、あっこちゃんのファンが増えたんじゃないかな。


彼女の、2003年に発症した「摂食障害」については、本人がインタビューで答えていますので、それを皆さんにも是非読んで欲しい。

http://akiko-suzuki.com/interview01.html


ここまで5年、忍耐強く戻してきた。鈴木選手と、支えた長久保コーチには、本当に頭が下がる思いです。今日の2位は、世界選手権で優勝したぐらい、価値があると思う。おめでとう鈴木あっこちゃん!


ペアは中国ペアが優勝。某生命保険のCMで知名度があがった井上怜奈&ジョン・ボールドウイン組は2位に甘んじました。でもお客さんの拍手はやはり一番でしたね。井上選手がほんと、キュートで綺麗で(#^^#)終始すごい「いい顔」をして演技していた。輝いていました。肺がんを克服した話は、あまり美談に祭り上げると軽くなってしまいますが、事実は事実。尊敬します。


鈴木明子選手と井上怜奈選手。この二人の共通項は「病が癒えた者の感謝」そこが観ている方にも伝わって、アピールするのではないかしら。このリンクに立って滑れることへの感謝、そして生かされていることへの感謝。フィギュアスケートの表現は、やはりこういう、全人格を賭けた一大表現でなくては!