五線親父の縁側日誌

永遠の70年代男・テリー横田の日誌です。

筆者は田舎の初老爺、下手の横好きアマチュア作曲屋、70年代洋楽ポップス愛好家、70年代少女漫画愛好家、
女子ヴァリボ&フィギュアスケートオタ、Negicco在宅応援組です。

高齢者だけの映画制作集団


今朝少しテレビでやっていたのだが、北海道むかわ町という所(今回ノーベル賞を取った鈴木教授のふるさと)に「高齢者だけの映画制作集団」があるという。むかわ町穂別地区「田んぼ de ミュージカル委員会」というそうだ。


平均年齢78歳。監督・脚本・技術スタッフから勿論役者まで、全員地元のお年寄り。スタッフは約50人。出演者エキストラ含めると200人以上というから、ほぼ農村の地区全員が関わっているのだろう。活動は9年を超え、3本の中編映画(約45分)を発表し、現在も4作目を制作中と言うから、もはや道楽の自主制作のレベルは超えている。そこいらの大学の映画研究会など負けて居るんじゃないか。おまけに数々賞まで取ったという。年寄りパワー恐るべしである。


■インタビュー記事

http://www.iword.co.jp/modules/uu_cart/?ucart=main&item=12787


ここにも載っているが、事の起こりは2001年、地元の文化講演会で「崔洋一監督」を呼んだ。「今や小学生だって、ビデオカメラとパソコンで映画が作れる」と言う話を聞いて、「小学生が出来るなら、我々年寄りにも出来ないか」となったのがきっかけだとか。


きっかけは軽いノリでいいとしても、映画を創るとは大事業だ。一人あるいは少人数ならまだいい。何十人もの人が「万障繰り合わせて」集合し、撮影に参加し、自分の役割りをこなさなくてはいけない。それを統括し、動かしていかないと行けない。人は、集団は、動かないモノですよなかなか。しかもこれは仕事じゃない。まったく金にはならない。


でもって、いざ動いてやってみたら「撮り直し」とかで「いい加減にしろ!」と怒り出す人も居たとか。それで最後の編集で「ボツ」にされたりしたら、怒って当然という向きもあるだろう。


しかし、とにかく映画作りに参加することで、そこに人と人との交流が生まれる。楽しみもと軋轢両方あるが、徐々にシーンが進み成果が積み上がってくる。撮り直しに怒っていたお爺さんも、映画制作現場の段取りと苦労を知るうちに、「今のじゃ自分でも納得いかない、すまんがもう一回撮ってくれ」と言うようになったという。その話だけで感激してしまう。


私は、映画は正直解らない。でも、この活動は作品という成果も出したが、参加するだけでもすごい意義があると思う。この間書いたネットでのアマチュアイズム精神とか、中年~高齢者の生き甲斐の問題とか、いろいろな問題の解答が、ここにあるような気がするのだ。年寄りの道楽でも、本気でやったもんの勝ち。頭が下がる。低成長時代の日本人の目指すべき姿が、ここにあるように思う。


現在完成形として最新作の予告編が、ようつべで見られます。タイトルは「いい爺いライダー」(^^;)町村合併に反対・反抗する老人達が、突如暴走族と化し、農村をスーパーカブで集団爆走し、町議会に乱入するという話らしい。DVDをむかわ町から取り寄せようかなあ。


■「いい爺いライダー」予告編

http://www.youtube.com/watch?v=ja-4VKd_Cns