五線親父の縁側日誌

永遠の70年代男・テリー横田の日誌です。

筆者は田舎の初老爺、下手の横好きアマチュア作曲屋、70年代洋楽ポップス愛好家、70年代少女漫画愛好家、
女子ヴァリボ&フィギュアスケートオタ、Negicco在宅応援組です。

古いアメリカン・ニューシネマ3本


高校時代に見て感激したというか、印象に残った映画(洋画)を3本、この年になって

やっと購入して楽しんでいる。


■映画「グライド・イン・ブルー」(1974)

http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=6330


高校時代にTVの深夜劇場番組で見て、やるせなさと疑問で鬱々とした作品。やっとDVDで見終わりました。まったく、いま見てもなんの救いもない映画だ。刑事を夢見る白バイ警官が、一時は刑事の助手となるのだが、結局私怨(女性問題)で挫折してしまう。そして訪れる「なんで?」と言うラスト。いやまあ、そういうどうしようもない状況を提示して、見るものに考えさせるのも、アメリカン・ニューシネマの真髄ではあるのだけれども。ちなみにこの作品は、ロックバンド「シカゴ」のプロデューサーだったジェイムズ・ガルシオが制作・監督。ラストの感動的な主題歌は、当時シカゴのギタリストだったテリー・キャスの歌。


■映画「華麗なるギャツビー」(R・レッドフォード版1974年)

http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=4881


これも高校時代に見て、同様にやるせなさばかりが残った作品。いま見ても基本的感想は変わらない。純愛を貫き通そうと愚直に頑張った男の悲劇といったところか。これも、一人の女性に危ないほどに熱を上げた経験とか、恋愛って怖いなあと思った経験とか、そのへんが分かっていて初めて、つかみ取れる映画なのかもしれない。あとこれは、やっぱり原作を読んだほうがよく、できれば作者;フィッツジェラルドと妻ゼルダについても、調べると理解が進むそうだが、どうやらそこまでは手が回りそうにない。


■映画「真夜中のカーボーイ」 (1969)

http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=22428


これはいつ見ても何回見ても感激する。挟み込まれるシュールな映像も時代を反映していていい感じ。社会の底辺に生きる主人公たちは小悪党だし考えも浅い。でも気取って鏡の前に立つジョーの笑顔を、本当に爽やかに無垢に撮っている。「ネズ公なんて呼ぶんじゃねえぞ!」というラッツィオの口癖も、愛すべきものだと思う。彼はマイアミの空と海を一瞬でも見られたんだろうか?


これら物語から、なんの感動も引き出せない人がいても、不思議じゃないし、蔑むことは出来ないと思う。この頃のアメリカン・ニューシネマは全部そうだが、社会の底辺で生きるゴロツキやチンピラが描かれたり、なんの活躍もせず主人公が悲劇的に死んで行ったり、物語として何が面白いんじゃい!と言うのもわかる。ただその裏にある、人間そのものへの愛情とか、閉塞した社会への警鐘とか、裏読みをする読解力がうんと要る。そそのへんはまあ、自分も結構怪しいものではあるんのだけれどもね。