五線親父の縁側日誌

永遠の70年代男・テリー横田の日誌です。

筆者は田舎の初老爺、下手の横好きアマチュア作曲屋、70年代洋楽ポップス愛好家、70年代少女漫画愛好家、
女子ヴァリボ&フィギュアスケートオタ、Negicco在宅応援組です。

意気投合には気をつけろ


学生時代に、よくロック雑誌の「バンドメンバー募集」記事を利用した。自分でも募集をかけたり、加入希望者と会ってセッションしたりした。でもなぜか、あまりうまくいかなかったなあ。結局残ったメンバーは、募集で集めた連中より、クラスメイトとか下宿が近かったりとか、いわゆる「バンド目的以外」の友達だった。


なぜそんな結果になったのかはよくわからない。ただ当時の自分は若く我が強く、強固に「こういう感じのオリジナル曲、それ以外はダメ」の人だった。そんなジコチューだったから、バンドメンバーも、ある程度完成された人材よりは未完成な、よく言えば「染まってない」悪く言えば「洗脳する余地がある(爆)」人間のほうがよかったのだろう。本当に悪いやつだった。


そんな中で、「魚谷君」というギターの人がいた。この彼とは、知り合ったとたんに音楽の趣味で意気投合し、そのまま彼の下宿で飲み明かした。彼が「バンドのために新しいギターを買う!」というので「じゃあ一緒に」と翌日、お茶の水の楽器屋で二人、ギターを選んだりもした。男同士だがなんか蜜月(笑)やっと気に入った奴とバンドが出来ると思った。


・・・がっ。


・・・ここからの肝心なところが覚えていないのだが、しばらくすると何故かお互い、全然連絡を取らなくなってしまった。いや喧嘩したとか金や女が絡んだとか(爆)そんなことは一切ない。ただなんとなく、面倒くさくなって、多分私の方からシカトしたのだ(ひでえ奴)携帯もネットもない時代のこと。しかも貧乏で気まぐれだったお江戸での学生時代のことだ。


ただそれでも、他の、今でも付き合いのある元メンバーの友達とかなら、そんなシカト状態が続けば「横田おまえ何考えてんだ!」となった。怒られた(当たり前だ)。でも彼、魚谷君の場合は、本当にそれっきりになってしまった。彼の方から「バンド結成の話はどうなったんだ」という連絡も、なかったように記憶している。まるでマボロシだ。


人間関係を持続するには、努力が必要だ。それを怠ったわけだ。私も、そしておそらく彼も。


今にして思うが、その魚谷君とは「相性が良すぎた」のではないかと思うのだ。第一印象でピピッとくる相手だったので、その馬が合うことに安心しすぎて、関係を放っておいてしまったのが敗因だった。


私の場合、人間関係、多少相性が悪くて「なんだこいつ」と思うくらいの奴との方が、結果的に長くつきあえている。なぜなら、お互い相性があまりよくないのを認識していると、一生懸命話をして、相手のことをお互いにわかろうと、努力をするからだ。そうして、むかついたり喧嘩したりしながら「構築していった」関係の方が、より強いというか、「相手ならこうくるだろう」というパターン認識が、あらゆる場面で築かれていく。それが関係を強固にするのだ。


異性との恋などはなおさらそうだ。「ぱっと燃える」テンションがあった場合は、逆に警戒しなければいけない。一時の熱情に甘えて、その後の「こころの関係構築」をおろそかにすると、本当に跡形もなく消え去ってしまう。とても悲しい思いをすることになる。


「意気投合には気をつけろ」、という話でした。