五線親父の縁側日誌

永遠の70年代男・テリー横田の日誌です。

筆者は田舎の初老爺、下手の横好きアマチュア作曲屋、70年代洋楽ポップス愛好家、70年代少女漫画愛好家、
女子ヴァリボ&フィギュアスケートオタ、Negicco在宅応援組です。

愛憎併せ持つクラシック音楽


ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサート、昨晩の国営教育テレビですが観ました。


こういうクラシック音楽の番組、実は好きなんです。オーケストラのオヤジ連中を延々と映すだけで1時間とか、普通の感覚からはきわめて退屈だと思います。でも私は別に飽きない。楽器プレイヤーの手元とか、真剣そうな表情とか、観ているだけで良いんです。自分、クラシックをちゃんと勉強して、オーケストラのプレイヤーになりたかった。そのあこがれの気持ちが、あるせいかも知れません。


今年の指揮はダニエル・バレンボイム。ピアニストから指揮者になった人ですね。柔らかい音楽を作る人という印象で、こころなしかオケの音色もより丸くなった気がしました。数年前、小沢征爾さんが指揮した時は、あのウィーンフィルですら、キビキビ、パキパキしましたから、それに比べると対照的な感じがします。


また今年は異例で、シュトラウスのワルツやポルカだけでなく、ハイドンの「告別交響曲」終楽章も演奏されました。これが珍曲で、曲の途中から、オケのメンバーが徐々に退席して袖に引っ込んで、最後には誰もいなくなるように、と、楽譜に指定がしてある。作曲当時ハイドンが「オケや私にも休みをくれ!」という要求を、この曲で表現したんだそうです。私は始めて見聞きしましたが、最後まで残る第2ヴァイオリン奏者に、指揮のバレンボイムが「いい子いい子」したり、芝居ッ気たっぷりで、いや、実に面白かったです。


それと毎年思うのですが、ウイーン楽友協会ホールの内装の見事さ。ヨーロッパの古い建築は皆そうですが、レリーフとかすごいですよね。それぞれ聖書や宗教的伝説を表したりしているのでしょうが、伝統の重みをひしひし感じる。クラシック音楽は、ハイソな(死語?)紳士淑女の「たしなみ」という面もあると思います。あんな窮屈なものは無いと言う意見ももっともだと思います。しかし、いざあの建物の中であの音楽が始まると、その大きさに抵抗出来なくなる。テレビを見てこれだから、私など本場ヨーロッパのホールや教会などで音楽を聴いたら、卒倒しちゃうんじゃないかと(笑)


とはいえ、ブルックナーみたいな「1曲2時間」の大交響曲とかは、勘弁してくれの世界ですが。あと「オペラ」も、実はちょっとダメかも。だから私は、クラシック音楽はすごい偏食です。バッハ、モーツァルト、ベートーベンからがひょーーーんと時代が跳んで、ラヴェルドビュッシーになる。間のロマン派、シューマンとかは、全部オミット(爆)


クラシック音楽は、私にとっては「愛憎合い併せ持つ」複雑な魅力を持つ存在です。。。