五線親父の縁側日誌

永遠の70年代男・テリー横田の日誌です。

筆者は田舎の初老爺、下手の横好きアマチュア作曲屋、70年代洋楽ポップス愛好家、70年代少女漫画愛好家、
女子ヴァリボ&フィギュアスケートオタ、Negicco在宅応援組です。

トッキーニョ&ヴィニシウス


・・・・なんかダメダメな週末でした。書きかけの曲も進みませんでした。もう開き直って、好きな音楽を聴く事に徹してしまおうかと、思って手が伸びたのがブラジルもの。ボサノヴァの「トッキーニョ&ヴィニシウス」。


YouTubeを貼るのは、本位ではないんですが、ブラジル音楽はあまり試聴する機会もないでしょうから・・・


■Tarde Em Itapua/Toquinho & Vinicius

曲名:イタポアンの午後/歌:トッキーニョ&ヴィニシウス


D


・・・この真ん中で、酒が用意されたテーブルに座って(面白いですね)朴訥な歌を聴かせる「ハゲメガネ爺」がヴィニシウス・ジ・モラエス。ブラジル最大の作詞家と言われ、「イパネマの娘」などボサノバの名曲は、ほぼすべてこの人が書いています。ヴィニシウスは1980年に亡くなっていますので、この映像は70年代のものですな。


・・・右隣でギターを弾いて歌っているのがトッキーニョ。作曲家として70年代に10年間ほど、ヴィニシウスとコンビを組んでいました。親子ほど歳の離れた面白いコンビ。長老ヴィニシウスからはたくさんのことを学び、今も、ブラジルでは演歌のような位置づけになってしまったボサノバを守って、活動しています。


・・・で、このヴィニシウスという爺さんが、作詞の他に文学としての「詩」でも評価されて、偉い詩人なのですが、これがまあ私生活では放蕩の限りをつくしたのですな。テーブルをみて分かるとおり大酒飲みで、酒臭くない日は一日もなかったほど。女性関係もすごい。結婚は8回とも9回とも言われ、それ以外にも若い恋人の数は知れず、歯ブラシ一つで女から女への暮らしだった。若い頃は外務省の役人で超エリートだったそうですが、酒と女とボサノバ好きのせいでクビになったそうです。そりゃそうだ。


・・・ボサノヴァというと、しゃれて小粋なイメージですが、それをつくってる連中は、ちょいワルどころか、モロワルだったと。まあミュージシャンの常なんですけどね。本来裏方の作詞作曲コンビの彼らがこうして表舞台に立ち、下手で荒っぽくても自演する、この姿勢が逆に、フォークやロックのシンガーソングライターみたいで真実味が感じられて、私の中でのボサノヴァのイメージを変えてくれました。


ま、今日はこんなものを聴いて過ごしましたとさ。