五線親父の縁側日誌

永遠の70年代男・テリー横田の日誌です。

筆者は田舎の初老爺、下手の横好きアマチュア作曲屋、70年代洋楽ポップス愛好家、70年代少女漫画愛好家、
女子ヴァリボ&フィギュアスケートオタ、Negicco在宅応援組です。

ソフト&メロウはどこから来たのか

1960年代後半~1970年代前半の時期は、ロック/ポピュラー音楽の大変革期だったのは周知の通り。ソウル/R&Bジャンルに於いても、リズム面においての細かいダンサブル化(16ビートの採用)と、和声ハーモニー面でのソフト&メロウ化(maj7th, 9th等の複雑な和音を使って「ほわぁ」とした柔らかい雰囲気を出す)ことが急激に進行した。その急先鋒だったのがマーヴィン・ゲイスティーヴィー・ワンダー、ダニー・ハザウエイ、カーティス・メイフィールド等のいわゆる「ニューソウル」と呼ばれるミュージシャン達だった。
 
リズムの細分化=16ビートの採用についてはもう一人、ジェームズ・ブラウンが祖で、この親父がどこから仕入れたのか、歌ものソウルに持ち込んだのが最初とされている。(←かなり語弊があるかな?)

しかしソフト&メロウ和声に関しては、そんなに簡単には行かない。上記のニューソウル・ミュージシャン以前にも、例えばフランク・シナトラの曲とか、MGMミュージカルの曲なんかに、同じように「ほわぁ」とした雰囲気の曲が散見される。しかしマーヴィンがシナトラのファンで、そこから着想した、なーんて話は聞いたことがない。
 
ソウル・ミュージックのソフト&メロウは、一体どこから来たのだろうか。
 
で今、ビッグバンドジャズの「デューク・エリントン」に苦労しながら噛みつき始めたのだが、和声のメロウ化については、どうも彼が怪しい気がする。まだ全然聞き切ってないので大きな事は言えないのだが……スティーヴィーの曲に「サー・デューク」って曲もあるし、エリントンこそが「ソフト&メロウの祖」の可能性はどうだろうか??

※追記
その後、マーヴィン・ゲイについてご教授いただきました。
 
<マーヴィンはシナトラとかナット・キング・コールとか、ジャズ/ポピュラーソングが好きで、影響も受けています。元々はソウルシンガーよりも、そっちのスタンダードを歌うシンガーになりたくて、その志向のアルバムも出してます。1971年「What's Goin' On」が大ヒットした後もその夢は諦め切れず、1977年に「Vulnerable」というポピュラー曲集を録音しています。ところがこれが会社の方針でお蔵入りになった。死後発売されたこの作品は、得意の多重ボーカルも駆使された、注目すべき作品になっています。>
 

・・・とのことです。「What's Goin' On」以降のマーヴィン作品が、白人ポピュラーの影響のもと書かれたのであれば、ぴったり話がつながります。ソフト&メロウの祖、マーヴィン・ゲイの裏には、キングコールやシナトラが居たのです。