五線親父の縁側日誌

永遠の70年代男・テリー横田の日誌です。

筆者は田舎の初老爺、下手の横好きアマチュア作曲屋、70年代洋楽ポップス愛好家、70年代少女漫画愛好家、
女子ヴァリボ&フィギュアスケートオタ、Negicco在宅応援組です。

夏への扉


・・・東北地方も梅雨が明けました。暑くてかなわんです。夏嫌い。


さて、某ネット友さんの所で、少し話題になっていた古い曲です。知らない人も多いかな? 夏向きでもあるし、私も取り上げてみましょ。


山下達郎夏への扉

D


この曲は、有名なアメリカのSF小説、ロバート・A・ハインライン著「夏への扉」から、題材をとっています。向こうもんの、映画でも恋愛小説でもなく、娯楽SF小説から、というのがミソですね。


■小説 ロバート・A・ハインライン夏への扉

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でもこの本は、本当に名作中の名作です。平たく言えば「タイムマシンもの」なんですが、いろいろ小難しい科学用語とかが苦手だという人にも、是非読んで欲しい作品です。


主人公のダンはロボット工学の技術者。「万能家事ロボット」を発明し、会社を作って売り出そうとします。ところが、共同経営者に裏切られ、無一文で「冷凍睡眠」に入れられて、30年後の未来へ飛ばされてしまう。右も左も解らぬ未来社会で、ダンは苦労しながらも「タイムマシンを使って過去に帰り、自分の人生を変える」決意をするのでした・・・果たしてその野望は実現するのか?? という話です。次々と襲いかかるピンチを、不屈の精神を持って乗り切っていく主人公の勇気とポジティブさが素晴らしい。


で、達郎氏の曲の中で出てくる「僕はピートと連れだって」のピート。これは主人公がかつて飼っていた猫の名前なんですね。この主人公は「猫派」で、タイムマシンで飛ばされるとき、別れ別れになってしまうんです。


もういっこ、曲のサビで「リッキー・ティッキー・ティビー」と言う不思議な呼びかけが出てきます。小説の物語の中に「リッキー」という11歳の少女が登場してきます。この少女が、実は物語の「落ち」を担うんですが、主人公ダンは彼女のことをこう呼ぶんですね。後につく「ティッキー・ティビー」というのは、実は今持ってよくわからない。「あだ名」「語呂が言いように付けた接尾語」で、意味はないのでしょうが。「かっちゃん数の子にしんの子」なーんてはやし言葉がありましたが、そんなニュアンスでしょうかね。


ともかくこの小説「夏への扉」現実の時代がもう追いつき追い越しちゃった感じはあるけど。物語の面白さだけでも価値がある。「いいから黙って読んでおけ」という、半強制的名作です。