五線親父の縁側日誌

永遠の70年代男・テリー横田の日誌です。

筆者は田舎の初老爺、下手の横好きアマチュア作曲屋、70年代洋楽ポップス愛好家、70年代少女漫画愛好家、
女子ヴァリボ&フィギュアスケートオタ、Negicco在宅応援組です。

村主選手のエキシビションにこめられたもの

はい。全日本選手権エキシビション「メダリスト・オン・アイス」終わりました。良かった良かった。


まあいろいろあった、安藤美姫ティも元気に登場して「ボレロ」滑ってましたし、中野ゆかりんも見違えるようにのびのび演技していました。鈴木あっこちゃんがまた怒濤のスタオベで、お客さんがすごかった!


男子は小塚君の「ラストダンスは私に」これは曲のアレンジが良かった。え、問題が違う?(笑)スペシャルゲストとして登場のランビエール。所作のすべてが決めポーズ!!まだ現役で行けると思うけどなあ。


でも、やっぱりエキシとなれば、村主選手です! 今シーズンはもう見慣れた、ピエロ人形の物語、アディエマス=カール・ジェンキンス作曲の「ウインナワルツ」です。あらためて観ましたが、やはり素晴らしい表現。コミカルなプログラムなんですが、涙が出ました。


これはね。単にコミカルなショーナンバーじゃない。人間の、無垢な状態での「生きる喜び、この世に生を受けたことへの祝祭」を、歌い上げているんです。


主人公は木彫りの人形のピエロ。どういうわけか命を授かります。とまどい、動きもぎこちない中、おそるおそる外界へ踏み出す。いろいろなことを観たり聴いたり、この世界はなんて美しいんだろうと感激したりします。ピエロですからお客さんを笑わせたり、ジャグリングなんかも覚えて、人気が出たりします。で、ひととひとのつながり「愛」をちょっとだけ、解ってきます。世界というショーは、なんて素晴らしいのだろう。生きている自分とは、なんて素晴らしいんだろう!僕は自分で、自分を祝福するよ!といって最後、氷の紙吹雪を自分にふりかける・・・


村主選手はエキシビの短い中に、これだけの物語とテーマを詰め込んで、表現しているんです!!


インタビューで、来年の目標は? と訊かれ「LOVE」と答える彼女。その意味は?と問われた時、村主選手曰く・・・

「なんというか……最近、経済も良くない中で(ここで客席からちょっと失笑。村主選手も照れ笑い)こういう時にこそ、恋人とか家族とかの「愛」が大切だと思って。私は(スケートで)皆さんにそういうことを、伝えることが出来たらなあと思います」


どうですか? 大まじめに、スケートで人類愛を伝えようと考えているんですよ。こんな選手が、他に居ますか?


これを奇異だと思いますか?私はそうは思いません。芸術表現者は皆、こういう大きな物語を、伝えてきたんです。ベートーベンしかり、ビートルズしかり。


彼女はもう、スポーツ選手を越えた、世界的な舞踏表現者の領域に居るのです。これがスケーター「村主章枝」なのです。