五線親父の縁側日誌

永遠の70年代男・テリー横田の日誌です。

筆者は田舎の初老爺、下手の横好きアマチュア作曲屋、70年代洋楽ポップス愛好家、70年代少女漫画愛好家、
女子ヴァリボ&フィギュアスケートオタ、Negicco在宅応援組です。

対馬丸-さようなら沖縄-

今朝NHK教育で、「対馬丸-さようなら沖縄-」というアニメ映画が放送された。昭和19年、沖縄から学童疎開児童を乗せた船が、米軍の潜水艦の魚雷によって撃沈された、その悲劇をアニメにしたモノだ。

http://www.cinemawork.co.jp/cwhp/list/tsushimamaru.htm

キャラデザ&作画監督芝山努。なので可愛い絵柄です。しかしさすがに内容が内容なのでやはり重くなるのは必至。ことに、船が沈没してからイカダに乗って漂流する人達の様子が描かれるのだが、そこの描写がなにげにすごい。主人公の少年が洋上、寒さの中で眠りそうになる。と、一緒に乗っていた軍人さんとおぼしき男が、軍刀で少年の足を切りつける。「眠って凍死するよりはマシだろ! 塩水で洗って置け!」・・・あるいは、一緒に助かってイカダに乗っていた女の人が、無念にも力つきて海中に沈んでしまう。しかし何の拍子か、髪の毛がイカダのヒモにからみついて離れない。それを小刀で切りはなし、波間に沈んで行く姿を呆然と見送る。・・・・数少ない生存者からの聞き取りを元にしたものだろうが、身の毛もよだつシーンである。

戦争の恐いところは、実際の戦闘や爆撃による殺戮ももちろんだが、国家によるマインドコントロールによって、正常な思考感覚がマヒしてしまうところだ。「お国のために散るのは幸せ、欲しがりません勝つまでは」こんな馬鹿なことが、60年前は常識だったのだ! そしていまでも、世界のどこかで、この思考コントロールは続いている。

9・11があった。イラク戦争があった。自衛隊も海外派遣された。9条も改訂されようとしている。北朝鮮問題にしろ日中問題にしろ、何かが違う。こういった事件を己の利権と結びつける輩ばかりが政治を執る。シンプルに反戦と叫ぶ声は、どんどん風化していく。

対馬丸記念館ホームページ

http://www.tsushimamaru.or.jp/