フィギュアスケート世界選手権女子
まず、浅田真央ちゃん。金メダルおめでとう! 本人も言ってましたが「パーフェクトを目指して」ストイックに自分の心と体を追い込んで、つかんだ結果です。決してキムヨナへのリベンジとか、そんな次元の低い問題じゃない。あくまで敵は自分自身。武士道や宮本武蔵にも通じる高い求道精神。立派だと思います。私が「鐘」が嫌いな事は何度も書きました。が、それでも今回の演技は、地の底からわき起こるようなパワーを感じて、うなってしまいました。このプロを貰ったときはどうなるかと本人も思ったでしょうに。頑張って頑張ってここまで作品として完成させた。素晴らしかったです!! 私は村主ファンなので、浅田・安藤両選手のことは余り褒めないことが多いんですが、今回はホントに脱帽しました。良い演技をありがとう。今シーズン辛かったでしょう。お疲れ様。でも来年は、お願いだから明るく楽しい選曲にしてね。
安藤ミキティ。彼女も点数や順位はどうあれ、シーズン通してフル稼働。プログラムの完成形を見せてくれました。「シーズン波なく演技できたので良かった」と本人も言っていました。ボロボロからの再出発だった4年前。そしていっぱい泣いて、技術だけではなく人格も磨いて来ました。今やスケーターとしては酸いも甘いもかみ分けた、厚みをもった表現者となったと思います。彼女にも賞賛を送りたいと思います。
鈴木あっこちゃん。フリーは持ち直してくれて本当に良かった。お客さんを総立ちにさせるパッション溢れるステップをまた見せて下さい。でも来年からは、勝つためにどう点を取っていくか、したたかさも必要になってきます。長久保先生とよーく作戦を練ってください。
キムヨナちゃん。今回はモチベーションが難しかった。練習はぶっちゃけ全然やってなかったんじゃないかな。いろいろ日本では悪く言われはじめていますが、彼女に罪はないわけです。今回も、ノーミスのミキティより転けたヨナの点が高いのは何故?と思っていたのですが、ちゃんと見ると決めるところは決めているし、何よりもあの柔らかい表現力はうっとりします。(プレイスタイルが私の好み、というのは大きいけど)今後は彼女ももう一歩進んで、心の深いところからの自発的な表現が、演技に出てくるようになればいい。点は高いけど、志(こころざし)とか精神性が、まだ低い気がする。かつてのカタリナ・ビットやミシェル・クワンまでは到達していないと思う。引退とか燃え尽きとか、十年早い。もっともっといろいろ見聞きして勉強して、伝説のスケーターになって下さい。
後今回はカロちゃん(=コストナー)が良かった。メンタルが多分優しく気弱なのか本番に弱い選手という印象だけど。今シーズンやっとちゃんとした演技が出来たという感じでした。逆に長洲未来ちゃんは、最終戦が転けて大泣きだったけど、でも彼女はね、まだまだこれからですから。
ともあれ気が付けば、日本が男女ともアベック優勝の世界選手権。信じられませんよ。柔道とかじゃないんですよ。こーんな西洋文化のカタマリみたいな競技で。いやはや、幸せでございました。