五線親父の縁側日誌

永遠の70年代男・テリー横田の日誌です。

筆者は田舎の初老爺、下手の横好きアマチュア作曲屋、70年代洋楽ポップス愛好家、70年代少女漫画愛好家、
女子ヴァリボ&フィギュアスケートオタ、Negicco在宅応援組です。

阿修羅展かあ

ああー結局体調不良は治らず、気分もなーんとなく落ちたまま、黄金週間の大連休が終わってしまいました。なーんだろうなあ。泣。どこにも出かけるどころではなく、曲も作れずです。バンド活動のためのポスター作りとか、やることは山積みなのに。。。


国立博物館「阿修羅展」

http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?pageId=A01&processId=02&event_id=6113


・・・日本一有名なこの仏像が、久々に奈良の興福寺から上野の博物館にに来るというので、結構な混みようなんでしょう。メディアに「今風のイケメン仏像」なんて軽薄なキャッチをつけられて恥ずかしいですが(笑)それでも、観ておきたいなという気持ちに、私もなります。萩尾望都先生のSF漫画「百億の昼と千億の夜」の影響が大なんですけどね。


仏教では「悪の神」とされている阿修羅が、何故このような「苦悩する美少年」の像になったのかは、仏教美術史上、永遠に解けない謎です。記事に有る通り、当時の聖武天皇光明皇后の意向だとしても、素朴な奈良時代の人が、この阿修羅が持つとされる「悪の孤独と苦悩」をきちんと理解し、耽美的・ピカレスク的(悪を主人公とする物語)な美にまで昇華できたとは、到底信じられない。この像はどこか、未来の彼方からこの時代にタイムスリップしてきたとしか思えないほどです。だからこそ価値があるのでしょうけど。でもとにかく、この仏像の作者が、「悪」をはたらく「弱い人間」に対して、現代人よりもはるかに広い愛情をもっていた、ということになります。恨みや憎しみをかかえ、そういったネガティブな感情に夜な夜なうなされる、煩悩多き人間の姿を、この作者は許し愛したのです。単なる「イケメン仏像」などと能天気に、終わらせてはいかんのですよ。笑。


ちなみにまた少女漫画の話ですが、清原なつのさんという方が「光の回廊」という作品で、光明皇后と阿修羅について大胆な説を展開しています。今月確か文庫で再発されるはず。ご興味有れば一読を。


・・・上野の博物館の阿修羅展。私も観に行こうかなあ。行くなら平日に休みを取ってだな。仕事なんてどうでも。笑。