五線親父の縁側日誌

永遠の70年代男・テリー横田の日誌です。

筆者は田舎の初老爺、下手の横好きアマチュア作曲屋、70年代洋楽ポップス愛好家、70年代少女漫画愛好家、
女子ヴァリボ&フィギュアスケートオタ、Negicco在宅応援組です。

★になったロックギターの師匠

・・・成毛滋(なるもしげる)というロックギタリストが亡くなった。といってもこの名前は知る人ぞ知る。メジャーなポップシーンでは、ついぞ成功をおさめることはできなかった人だ。しかし我々中年世代で、エレキギター小僧だった人間の間では知らぬ者など居ないという「ロックギターの師匠」だった。

もともと彼は、つのだひろ(Ds,vo)、柳ジョージ(b,vo)とともに結成された伝説のバンド「フライドエッグ」のギタリストだった。それは商業的にはあまり成功せずに終わったが、その後70年代半ば頃、ある楽器メーカーが、初心者向けの「ロックギター教本」の講師として、この人を抜擢した。で、その教本と解説付きカセットテープは、楽器を買った人に、オマケとしてもれなく配られたのだ。結果、成毛滋の名前は、楽器少年の間では知らない人が居ない程の「ロックギターの師匠」となった。

もちろん、中学生当時の私も、ギター練習の友として何度か愛用愛聴させてもらった。ところがこれが難しくて弾けない。飽きっぽい自分はそうそうに投げ出してしまい、バンドではベースに回ることになる。中高時代のバンド仲間の家で、メンバー3人でこの教則本を練習した思い出がある。その友人も、昨年春「★になって」しまった。いま思い返すとじーんときます。

成毛氏はミュージシャンシップが高すぎたのか、ついぞポップ音楽家としての成功はおさめられなかった。でも、こういう形で名が残るのも、奇妙ではあるがそれはそれ、人生ではないかと思う。

自分、何の因果か、先述の友人の逝去と前後して、再び楽器を手にした。今もエレキギターをぺらぺら触っていられることに、非常に感慨を感じます。指先のシビレが取れなかったり、階段は手すりなしでは登れなくなったりと、もうあちこちボロボロですのに………。

成毛さんと私の友人のHに、今夜は掌を合わせたいと思います。