五線親父の縁側日誌

永遠の70年代男・テリー横田の日誌です。

筆者は田舎の初老爺、下手の横好きアマチュア作曲屋、70年代洋楽ポップス愛好家、70年代少女漫画愛好家、
女子ヴァリボ&フィギュアスケートオタ、Negicco在宅応援組です。

見狼記 ~神獣 ニホンオオカミ~


国営放送教育で見た番組「ETV特集 見狼記 ~神獣 ニホンオオカミ~」面白かった。


■ETV特集 見狼記 ~神獣 ニホンオオカミ

http://www.nhk.or.jp/etv21c/file/2012/0219.html


埼玉県秩父地方。ここで1996年に、絶滅したはずの日本オオカミが目撃され、写真に収められた。その異様さは確かに犬には見えない。しかし生物学者達は一様に信用しなかった。撮影者のおじさんは、その日以来現在まで、休みの度に山野を彷徨いオオカミを探している。


この地方では昔から「オオカミ信仰=大口真神(おおぐちまがみ)信仰」がなされている。番組では、各所神社の様子なども映される。

中のひとつ、寄居町の山奥の釜山神社というところの宮司さんがなかなか凄かった。毎月17日には「お炊き上げ」といって、オオカミ神にご飯お供えする。そのために、装束袴でおひつを背負い、かなり危険な山道を登り、奥の院のある山頂まで行かなければならない。その姿が鬼気迫るのだ。


宮司の言葉が印象深かった。「自然災害と言うのは地の怒り。自然信仰が薄れて来た現代で、天候や災害がますます激甚になってきているのは、やはり人間が自然への畏怖を忘れたことが原因ではないか」


この言葉はまったく非科学的ではあるが、私にはどうしても否定しきれない。地球温暖化、大震災と原発事故を経てなおさらそう思う。いや震災を天罰という気はない。ないがしかし、犠牲者の慰霊や遺族への精神的配慮、その後の復興計画やら何やらが、すべて「ビジネスライクに」処理されて行く様を観ていると、心とか魂とか霊性とか、そういう精神的な事は、本当に忘れ去られたなあ、と哀しくなる。


息子を亡くし、家をなくし、故郷を無くしたおばあさんに「銭は出したし手続きは済んだ。さああしたから頑張って下さい」では、あまりにも人でなしではないのか。


エネルギー論争やがれき処理論争等で、分裂いがみ合いさえ起こって来た日本。大口真神が再び吠える日が来るかもしれないぞ。