五線親父の縁側日誌

永遠の70年代男・テリー横田の日誌です。

筆者は田舎の初老爺、下手の横好きアマチュア作曲屋、70年代洋楽ポップス愛好家、70年代少女漫画愛好家、
女子ヴァリボ&フィギュアスケートオタ、Negicco在宅応援組です。

また国営放送の番組ですが


今朝ぱっとつけたテレビ、また国営放送の海外ドキュメンタリーの再放送ですが、これがどうして、面白かった。


セルビア発 誰だってヒーロー ~我四十にしてマラソンに挑む~

http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/090103.html


ベオグラードにすむ映画監督のムラディン。はっきりいってあまり売れてない。なんとか女房子供と食ってはきたものの、作品は凡作ばかり。ヒーロー映画を作って皆を感動させる夢もいつしか薄れ、体重は120キロ肥えの立派なメタボ親父になっていた。「俺の人生このままで良いのか」と、鬱々として日々を過ごしていた。


ある日彼は、なにげなくテレビのマラソン中継を見ていた。人生を賭けるかのように必死で走る選手達の姿を見ているうちに、何かが弾けた。「よし、俺もフルマラソンに挑戦する!」と言い出したのだ。


家族や友人達は反対するどころか、「冗談だろ」と、はじめから馬鹿にして彼を笑い者にする。ところが、プロの陸上の老コーチと知り合い、話をすると、彼の無謀な挑戦に興味を持ち、協力をしてくれることになったのだ。科学的なトレーニングメニューが作られ、四十過ぎメタボ親父の挑戦が始まった・・・。


・・・ドキュメンタリーというか映画というか、この作品を企画、監督、主演しているのが、当の本人ムラディン氏。自分をネタに作っているのだね。としても、運動経験のない中年男がマラソンに挑戦するのは、一歩間違えれば命に関わる。捨て身の体を張った、ある意味人生の賭なのだ。


当然トレーニングは辛い、でその姿が、ドタドタと実に哀れでみっともない。ダイエットもある。好きなコーラとポテトチップスは禁止。スーパーで買い物をしても、ミネラルウォーターとレトルトの豆。会計をするときの彼の顔が、実に情けなくて、そこで思わず笑ってしまう。


彼の友人達というのも何人か登場するのだが、こやつらが実に口が悪い。「女房と夜がうまくいって無くてその腹いせか?」「うすのろが走る姿を撮ってどこのテレビ局が買うんだ?」「挫折する方に千ドル掛けるぜ」「くたばるときのために、いろいろ自分を撮っておきたいのか?」とまあひどい(笑)もちろんジョーク、親しい故の憎まれ口なのだが、まるで下町の職人仲間みたい。全く人間は、東西問わず似たようなもんだと、ここでも笑ってしまう。


彼自身も、辛いだの止めたいだの、決意した割には、ぐちぐちと文句をたれる。特にトレーニングで成果が出始めた矢先に、彼の母親が急死する。その時はさすがにまったくやる気をなくし、妻に当たったりする。いつもは勝手にせえと言わんばかりの妻も、この時ばかりは「お母さんは、あなたが完走することを夢見ていたのよ!」とハッパを掛ける。


何とか練習を再開したものの、今度は膝を故障したり、足首をねんざしたりの繰り返し。怪我に折り合いを付けながら、30キロ走れるようになるまで要した時間は8ヶ月。しかしついに、42.195キロは一度も走れないまま、本番を迎える。


不安を抱えたままマラソンはスタート。いつもはあれだけ笑い者にしていた友人達が、全員こぞって沿道で応援し、車で移動したり一緒に走ったり、そこがなかなか泣かせる(でも憎まれ口は相変わらず……笑)彼の目標は「なんとか失格にならずに、制限時間の5時間までに完走すること」途中どしどし抜かれ、ついには彼ともう一人のおじさんと二人、最下位争いになってしまう。精根は尽き果て、歩きよりもおそいほどのスピード。彼の後ろには、大会が用意した救急車と、交通規制のためのパトカーが、のろのろとついていくだけ。この絵も全く情けなくて笑える。


・・・果たして彼は、フルマラソンを完走できるのでしょうか? って、できなきゃ作品にならないんだけど(笑)


最後、大会のゲストでベオグラードに来ていた、あのカール・ルイスに、主人公ムラディン氏が「ブービー賞・敢闘賞」の、小さなトロフィーを貰う。できすぎたシーンでやらせかもしれないけど(笑)でもしっかりオチになっていますので、まあいいかと。


このネタ、ハリウッドで映画にしたら……地味だしだめかやっぱ。(^^)