五線親父の縁側日誌

永遠の70年代男・テリー横田の日誌です。

筆者は田舎の初老爺、下手の横好きアマチュア作曲屋、70年代洋楽ポップス愛好家、70年代少女漫画愛好家、
女子ヴァリボ&フィギュアスケートオタ、Negicco在宅応援組です。

映画「ボヘミアン・ラプソディ」

映画「ボヘミアン・ラプソディ」DVD購入しました。



 

私的には、ちょっとこの作品にはマイナスな先入感を持ってしまいました。トレーラー映像を見て「フレディ似てねーじゃん!なんだこの貧相な奴は!」と思ってしまったり、記録的な大ヒットになったことで、逆に警戒して身構えてしまったり。エイズで早世した悲劇のロックヒーロー的な扱いなら嫌だなあと思っていました。まあそうはなってなかったので、その点はホッとしましたけど。
 

鑑賞後の感想は……う〜〜ん基本的にはいい映画だと思います。クイーンのメンバー達が試行錯誤しながら曲作りをしていく様子や、クライマックスに設定されている「ライブ・エイド」での映像は、迫力があって本当に素晴らしい。移民の子という境遇に悩み、父親にも反抗し、自己のゲイという性的指向に悩み、恋人との決別、ショービジネスのお金の罠、バンドメンバーとの軋轢など、いろいろな試練を乗り越えてそこのライブに向かっていく。決して超人ではない人間フレディが、実に愛おしく描かれています。
 

しかし、フレディが抱えていた心の闇の部分、その原因が、曖昧なまま終わってしまったのではないか。たとえば彼は、ペルシャ系インド人として、いじめを受けていた事実はなかったのか? 父親が8歳のフレディを寄宿学校に入れたというが、そのことに寂しさや愛情飢餓感をいだいてはいなかったのか? このへんの幼少期の描写が足りなくて、どうもフレディの心の奥にいまいち入り込めなかったです私は。
 

後はやっぱり、主役の俳優さんがどうしてもフレディに見えないこと。これは私が世代的に、本物クイーンを事あるごとに見聞きしてきた、洋楽ロックファンの「偏見」の部分でしょうね。映画の良し悪しとは関係ない部分ですが、最後まで払拭できませんでした。
 

でも繰り返しますが、映画作品としての迫力は素晴らしい。最後に向かってぐぐぐ〜〜〜っと感激が押し寄せてきます。